髙木 友ニ

ケアマネジャー兼小説家です

福祉用具貸与ってなに?介護保険の豆知識

介護保険のサービスに福祉用具貸与というものがあります。

それは安く車椅子や歩行器、ベッドなどがレンタルできるサービスです。

この制度は介護保険を申請し、要支援1以上の認定が下りた方に限ります。

 

わかる人はわかると思いますが、介護用品って本当に高いんです!!

しかも高いお金を払って、例えば車椅子を買ったとしても、必要でなくなる日が来るので、処分に困るものが多いのです。

 

そういうものを安くレンタルできるのです。

ちなみにこのサービスは地方自治体から認定を受けた業者に限ります。

 

それではなにがレンタルできるか説明していきます。

 

①車椅子

車椅子は、歩けなくなってしまった方に必要です。車椅子を自分で購入すると、高いし、自分に合わないもの(高さや大きさなど)が多いと思います。

レンタルできれば、例えば腰が痛くて、座っていられない方の場合でも、その人にあった、寝ることが出来る車椅子をレンタルすることも出来るのです。

 

料金

一番安いものは月500円でレンタル出来ます。よく、1日ですか?と聞かれますが、1ヶ月の料金です。

リクライニング式など寝たままの状態になる車椅子は月1,000位でしょうか?

その位の金額で利用出来ます。

 

※車椅子のレンタルは原則として要介護2以上の人に限ります。

 

②車椅子付属品

車椅子のみレンタルも可能ですが、例えばお尻が痛いのでクッションがほしい。そんな人には、クッションもレンタルの対象です。他には車椅子用テーブルなどもレンタル対象です。

 

料金

クッションは1ヶ月100~300円でレンタル出来ます。

 

※車椅子付属品のレンタルは原則として要介護2以上の人に限ります。

 

③電動ベッド

寝たきりになってしまった方を自宅で介護していくのは大変ですよね。毎日のオムツ交換、車椅子への移乗。とても布団では介護が難しいです。ベッドの高さも変更できれば、オムツ交換の時、腰の負担も軽減しますし、もしもベッドから落ちてしまった場合、ベッドの高さが低ければ、骨折などの怪我の防止となります。

 

料金

良いものだと、月1,000円位でレンタル出来ます。繰り返しますが、1日ではありません。1ヶ月の料金です。

安いものだと1ヶ月600円位ですね。

 

 

※電動ベッドのレンタルも、原則として要介護2以上の人に限ります。

 

④電動ベッド付属品

車椅子から付属品という言葉が続きますが、電動ベッドの付属品とはなんでしょう。

まずはベッド柵。ベッド柵がないと落ちる危険がありますので、必ずレンタルしましょう。

ベッド柵でも、立ち上がるところがL字になり、つかまりやすく、立ち上がりやすい物もあります。

それ以外の付属品はベッドのマットです。

此れをレンタル出来なければ、ベッドに寝ることが出来ません。

そのままベッドの上に布団を敷いている人もいましたが、そのベッドにあったマットの方が良いと私は思います。

 

料金

ベッド柵へ20円程(月の料金です)

L字の柵は100円程

ベッドマット200円程

固くてよく眠れないという方は、500円位で柔らかいベッドマットがレンタル出来ます。

 

※電動ベッド付属品レンタルも、原則要介護2以上の人に限ります。

 

⑤床ずれ防止用具貸与

ベッドマットに限りなく近いですが、寝たきりの方のとって、いつも寝ているベッドマットは非常に重要なものになります。

それは床ずれ。難しい言葉でいうと褥瘡です。人間ずっと同じ姿勢で寝ていると、無意識に寝返りをうちます。それは、同じところご圧迫されていると血流が悪くなり、皮がむけ、そこからバイ菌が入ってしまう事を言います。

床ずれは治りが悪く、最悪骨まで見えてしまう状態になります。

そうなると、そこからバイ菌が入り、敗血症などの深刻な病気になることもあります。

 

床ずれを防止するためには、同じ姿勢で長く寝ていないことがあげられます。

大体2時間に1度は体の向きを代えてあげなくてはなりません。

 

体の向きを代えると同時に寝ているベッドマットを柔らかく、圧のかからない物にしなければなりません。

要するに柔らかいベットマットに代えます。

柔らかいベッドマットの事を、床ずれ防止用具といいます。

 

今は技術が進んでいて、エアマットといい、自動でマットの中の空気が移動することで、体の圧を逃し、床ずれを予防できるマットもあります。

 

料金

1番安いもので、500円/月位からレンタル出来ます。

エアマットになると、1,000円/月程でレンタル出来ます。

 

※床ずれ防止用具は要介護2以上の人に限ります

 

体位変換

あまりレンタルする頻度は高くないですが、寝たきりの方は、2時間に1度は体の向きを代えなければならないと前述しました。

しかし、人の体は横にむけたとしても、いつの間にか、上を向いていることが多いのです。それだと、体の向きを代えた意味がなくなります。

 

そのため長い抱きまくらのようなもの(介護の世界では、体交まくらといいます)を体の下に挟み、体の姿勢が崩れないようにします。

 

料金

大体200円位ですね

 

体位変換器は要介護2以上の人に限ります

 

 

 

⑦手すり貸与

立ち上がり用、玄関の上がりかまち用、トイレ用などの用途に分かれます。この手すりは全て取り外し可能なものです。

 

立ち上がり用手すり

例えば、布団やベッドの横に設置することで、起き上がる時、立ち上がる時につかまることで、ふらつきや転倒の防止になります。

しっかりしているので、大人が思い切り引っ張っても、倒れることはありません、

 

玄関の上がりかまち用手すり

玄関はつかまるものが以外となく、靴を履き代えたりするため、転倒し、怪我をすることが多い場所です。

そこに設置をすれば、つかまりながら靴を履き代えることも出来るし、玄関の段差で、つまずいてしまい転倒することもなくなります。

 

トイレ用手すり

トイレは、スボンの上げ下げをしなければならず、お年寄りがよく転倒してしまう場所です。

そこに手すりを設置し、つかまりながらズボンの上げ下げをすることで、転倒の防止になります。

 

料金

立ち上がり用手すり、トイレ用手すりは200円/月位でレンタル出来ます。

玄関の上がりかまち用手すりは500円/月位でレンタル出来ます。

 

※手すり貸与は、介護度は関係なくレンタル可能です。要支援の方でもレンタル出来ます。

 

⑧スロープ貸与

もし車椅子の生活になってしまったとしたら、外出する際はどうしたらいいのだろうと考えたことはありますか?

マンションなら段差がなく外に出ることが出来ますが、古い家の場合はそうは行かないでしょう。

もし車椅子生活になり、玄関の段差などで外に出られない場合、3メートルからスロープがレンタルできます。

極端な話をすれば、玄関の幅が狭く外に出られない方は、縁側にスロープをつけ、そこから出入りしている方もいます。

3~15メートルまで種類があるので、玄関ではなくても、車椅子で家に入ることが出来るようになるのです。

 

それ以外にも、廊下と部屋の間にある段差でつまずく、転んでしまう方に、ダイヤスロープという小さなスロープもレンタル出来ます。

 

料金

短いものは300円/月

長いものは900円/月

でレンタル出来ます。

 

ダイヤスロープは1つ50円/月

でレンタル出来ます。

 

※スロープは介護度は関係なくレンタルできます。要支援の方も利用可能です。

 

⑨歩行器貸与

よくお年寄りが歩いているとき、押し車を押して歩いているのを見かけると思います。昔の言葉でいうと乳母車、というのでしょうか?今はシルバーカーといいますが、そのシルバーカーもレンタルの対象です。

それ以外でももっと簡易的なシルバーの筒だけのものもあります。病院でよくお年寄りが使っているもので、ほとんど室内用ですね。

買うより、壊れるとすぐ修理してくれますし、レンタルの方が断然お得だと思います。

 

料金

2~400円/月

でレンタル出来ます。

 

※歩行器貸与は介護度は関係なくレンタル出来ます。要支援の方もレンタル可能です。

 

⑩歩行補助杖貸与

1本杖はレンタルできませんが、先が4つに分かれ、突いた時安定感が増す杖もレンタル可能です。

 

料金

1~200円/月

でレンタル出来ます。

 

※歩行補助杖貸与は介護度は関係なくレンタル出来ます。要支援の方もレンタル可能です。

 

⑪徘徊探知器貸与

認知症の症状で1番困る症状は徘徊です。いつどこに行ってしまうのかわからない為、介護している人の負担は、相当なものでしょう。

例えば、ベッド下にセンサーマットを敷いておけば、ベッドから移動するとき、センサーが鳴り、介護者に教えてくれる機械もレンタルの対象です。

 

料金

大体800円からレンタル可能です。

 

⑫移動用リフト貸与

立ち上がる時つかまるものがない、手すりではちょっとという人には昇降座椅子もレンタルの対象です。座ったままでボタンを押せば、自動的に座椅子が上がってきます。

それ以外はあまり例がないのですが、車椅子に乗ったまま、座面が上下し、負担なく家に入れるリフトもレンタルの対象です。

 

 

料金

昇降座椅子1,000円/月~

移動用リフト2,000円/月~

レンタル可能です。

 

それ以外にも自動排泄処理装置貸与というものもありますが、よくわからないし、使っている人もほとんどいないので割愛します。